半導体

ソフトウェア会社の経営者でありながら、20年以上前から半導体業界で様々な方々とお付き合いをしてきました。かつてDRAMで世界的に活況を呈していた日本の半導体メーカーは新興国との価格競争でその後沈んでしまいました。

何故、インテルモトローラのように付加価値のある半導体MPU(心臓部)分野へ先端産業として切り込まなかったのか、一介の素人には理解できませんが、どうやら我が国は2.30年先の市場の動向を捉えることが苦手のようです。

つまり業界内で横並びの競争ばかりをしてきた為に、家電でも共倒れするような価格競争が多かったように感じます。大量生産の市場では必ず価格破壊が生じます。価格で勝負する後発組が断然有利だからです。

今、問題になっている半導体不足は、米中貿易戦争によるサプライチェーンが破壊されたことにより需給のアンバランスで生じたようなものですが、これから半導体分野でも保護主義が広がっていくのかも知れません。

半導体は産業の米と言われましたが、米は作り過ぎて余ると価格が下がります。養分として捉えればもっと付加価値が生まれたのですが、残念ながら日本は現状に甘んじて更に技術を活かそうという考えには及ばなかったようです。

メディア

 早朝のウォーキング中にラジオをよく聴いていますが、コロナ前は民放のラジオを聴く機会などほとんど皆無でした。朝一番のラジオ放送はお馴染みのパーソナリティの登場で、聴いていて気分がすっきりします。つまり政治や経済に対する辛口の意見をズバリ言ってくれるからです。

これまでテレビ番組しか目にしなかったのですが、同じような話題をTV各局が延々と連日のように放送しているのと、ラジオ放送との大きな違いを発見しました。コロナ禍になって在宅勤務が日常化してみて、最近はラジオ放送が見直されている理由がよく理解できます。

今時、電波でラジオを聴いている人は殆どいないと思いますが、インターネットラジオ放送の普及は広くラジオ放送の人気に火をつけているのは確実です。最近はインターネットで全国のFM放送も自由に聴けますので、活用の仕方次第ではテレビ以上の影響力を社会に及ぼしかねない気がします。

最近の若い人が新聞を読まないのと同様に、テレビも観なくなり、インターネットでの動画配信とラジオによる音声配信が、情報入手の主流になる時代がそう遠くはない気がします。今のテレビ放送が、個人的にはもったいない時間だと感じているからです。しかし、内容を厳選すれば中には素晴らしい番組もあるのは当然です。

友人

昨日、久しぶりに大学時代の友人に電話しましたら、とても声が弾んでいて安心しました。昨年から電話連絡を取っていたのですが、音信不通でしたので健康状態に何か有りはしないかと気になっていました。実は今年の2月下旬の夜に吐血して救急病院に運ばれたとのことです。症状は内蔵の一部が擦れてそこから出血したようで、家族は身体が全く動かなくなったので死ぬんじゃないかと思ったそうです。

コロナ感染が流行している中での入院ですが、輸血の必要もなくて2週間で退院したとのことです。これまでも病気を患った話も聞いていましたので、元気に3月には退院できたことの連絡を受けて大変安心した次第です。彼は登山が好きで海外の山へも出かける人で、いつも揺るがない行動力には感心しています。2月に倒れる前も台湾の山に登る予定だったそうですが、何が彼を山に惹きつけるのかわかりません。

登山家や冒険家の人は命を懸けて冬山に登ったり常に危険な行動していますが、残念ながら私自身は周囲の反対も多く、そんな行動を起こす勇気も真似もできません。有名な某登山家の方の講演も数年前にお聴きしましたが、 その後、1,2年後に海外の登山で若くして命を落とされました。どんなに世間の脚光を浴びても命を落としてしまえば終わりです。それが冒険家の宿命なのかもしれませんが惜しい人物でしたので大変残念でした。

在り方

昨日、45年ぶりに大学時代の友人と電話で懐かしく話しました。最初の手がかりはFacebookにローマ字で名前が出てきたのです。世の中には同姓同名の人が多数いるので本人と見分けるのは容易ではありません。しかし偶然にもSNSで返信がありました。

基本データから何となく彼らしい気はしましたが、こちらからアクセスしても反応がしばらく無かったのです。彼は小学校の校長を退任してから、さらに教育委員会の仕事をしたりしていたようなので、情報漏洩に用心していたようです。

彼と何人かの友人は、大学時代に法学部で学びながら私と教職課程を一緒に受講し、中高の教員免許を取得した仲間です。しかし、大学を卒業しても郷土で教職の募集はありませんでした。仕方なく仲間と一緒に大学の通信教育で小学校の教師になる計画を立てたのです。

私は先に民間企業へ就職して、通信教育も仕事と掛け持ちで勉強して、順調に単位を取得していたのです。しかし必修科目の音楽実習に、わざわざ会社を休んで札幌から当時の実習地である千葉まで受講に行けず、卒業単位まであと僅かに残しながら3年で在学を断念したのです。

タイトルと話の内容はかけ離れましたが、教員の夢を実現できなかった私自身の悔しい思いを胸に、社員を学校時代の教え子だと思ってアットホームな会社経営を目指してきました。卒業生からも親しまれる先生として、またお客様からも親しまれ、社員からも愛される会社として在りたい、というのが迂回しましたが今回のタイトルの主旨です。

 

 

 

雑談力

最近、下手な発言も気を遣うような時代になってきました。中には公の場で差別的な発言をしたり、SNSで人を傷つけるような発言が日常的に取り沙汰されることも増えています。またコロナ禍で人との飲食や接触が制限されているために、自由に発言する機会がないのも現実です。雑談は人間関係を円滑にするためにも大変重要ですが、最近の風潮は雑談することさえ犠牲となっているように思われます。

雑談をしなければ精神的にストレスも溜まりますし、人の表情も暗くなり、決して健康的ではありません。Clubhouseのようなネット上で音声のみの雑談の場が巷では流行していますが、コロナ禍で自然発生的に便利なツールとして脚光を浴びているのも時代の繁栄なのでしょう。でもバーチャル上の雑談は特定された人だけの場であり、人間社会を広く潤すものでもありません。

雑談力を身に付けるには、自分自身を開放して人に接近していくことで自然発生的に出る会話です。言葉ではわかっても、実際に人と自由に雑談をするのは意外と難しいものです。自分だけの発言では相手との雑談は続きません。目的やテーマを決めて行うのは雑談ではなくて単なる会話です。雑談は目的が何も無くてもできるものなのです。これからの時代には雑談力を身に付けることが、生きていく上で必ず必要となるでしょう。

人財

最近、地方の学生さんが応募してくれるので、本当にうれしい気持ちになります。リアル中心の時代は地方の方はどうしても就職活動において距離的なハンデがありました。しかしコロナ禍でオンライン面接が可能となり、直接に地方の学生さんとお話ができるのは私どもにとっても大変なメリットです。テレワークが当たり前になり国内に定着すれば、日本全国どこにいても仕事ができるようになりますので、地方の学生さんも積極的に応募していただきたいと思います。

少子化の時代を見据えて、将来的には近くで親の面倒を見ることができるように、会社としても社員の皆さんの働き方を検討していきたいと考えています。 全国を行ったり来たりしてたまに懇親を深めれば、普段の仕事は遠隔でも出来るはずです。米国でも今日まで海外の人財を上手く活用してきました。我々も日本全国どころか、海外の人財も活用するような会社を目指さなければならないと思うのです。若者の人口減を考えると、もっと海外からの留学生を増やすべきです。

学校教育も個々の人財の特徴に目を向けて、早いうちから個々人の個性を見出して、潜在能力を伸ばしていく教育制度にしていくべきではないでしょうか。製造業を中心とした大量生産の時代から我が国は30年近く経ちますが、教育の中身は変わってないようにも思えるのです。米国や中国のような大国より、小国でも人財の特質を伸ばす北欧諸国の教育に学んだらどうかと思う次第です。地方でもゆっくり子育てができて、ゆとりある人生設計のできる国を目指してほしいものです。

地道さ

リモートワークになり、毎日出社しなくなってから随分行動が変わりました。毎日取り換えていたワイシャツをクリーニングに滅多に出さなくなりました。背広も同様です。昼食も毎日のように外食していたのに、この1年余りお店で食べていません。コロナ禍の影響は個人的にも日々の行動に大きな変化をもたらしました。

夜でも昼でも会食は自粛となると飲食業は立ち行かなくなるわけです。誰しも会食したいのは山々なのですが、コロナが落ち着くまで待ちましょうとお互いになるのです。しかし人間は毎日食べなければ生きていけないので、食料の受給率が減るわけでもないのです。変わったのは人の流れが変わり、TPOのサプライチェーンが変化したことです。

ニューノーマルへの転換が継続すれば、従来の産業構造が変わることはもちろんですが、人々や物事に対するパラダイムシフトがもたらされます。収縮していく産業の裏では拡張する産業も新たに生まれるわけです。やはり成長がいつまでも続くと拡張すれば、必ず反動が生じます。事業も突っ走っても中々後戻りはなかなかできません。地道さが一番です。