覚悟

私自身は団塊世代(1947-1949)ではありませんが、すぐ上の先輩方が日本の高度経済成長路線の中で経済を牽引してきた時代を見てきました。私が高校を卒業する頃は、大企業が金の卵として地方から高校生を採用する、いわゆる集団就職の時代でした。GNP(後のGDP)の成長率も今のアジアの新興国のように10%前後だったと思います。

大学時代は中東戦争を皮切りにオイルショックによる大不況の波が押し寄せて就職氷河期が到来しました。その後、経済も持ち直してバブル経済に至り、1990年の頂点で弾けてしまったわけです。その後の不良債権処理に時間がかかりすぎて、有効な経済対策が打てなかったのが低成長の原因を作ったと思われます。

未来ビジョンに基づく経済対策と金融政策があれば現在の日本にはならなかったと思いますが、それでも民間企業は円高にも耐えて今日の経済をつくり上げてきました。やはり国家の長期ビジョンがなければ国民も安心して進めないので、国を司る人たちは考えなければならないと思います。この10数年前から国家財政のつけを国民が払わされている感が否めないようです。

しかし我々自身が、日本復活のためにも将来世代のためにも、もう一度立ち上がる勇気を持たなければならないと強く思う次第です。国も財政のプライマリーバランスの考えを忘れてはならないと思います。日本が将来ともGDP3位の位置を守るのは困難ですが、国民生活の格差を解消し、国民の幸福度を上げることは不可能なことではないと思います。