如何に生き抜くか

 かつて円高で日本の製造業を中心とした輸出企業は軒並み苦境に喘いで、為替差損を避けるため積極的に海外へ生産拠点を移していきました。ITサービス業も同様に海外の人件費が国内より安いということで、ソフトウェアの開発において盛んにオフショアによって海外に外注してコスト削減に走りました。その結果、国内産業は空洞化し国内の経済力は伸び悩み円安の方向へ進みました。さらに異次元の金融緩和と称してゼロ金利政策を長らく続けてきましたので、その後デフレが止まらなくなったのです。

近年、新興国は製造業を中心に目覚ましい経済発展と雇用の増大を実現してきました。経済が発展すると賃金も上がりますので、さらに消費も増えて国の経済力の向上とともに国民生活も年々豊かになってきました。一方、日本は90年代のバブル経済をピークに経済が30年間も低迷を続けてしまいました。低下し続けてきた生産性を上げるために、生成AIを活用する時代を如何に生き抜くかが日本の今後に懸かってくると考える次第です。

今日拝見した日本経済に対する投資家ジム・ロジャーズの発言を読むとなる程と同感しましたが、日本政府が今後の先行きの方向性を見誤らないことを願うばかりです。目先の防衛力の大幅増強よりも未来に向けての手厚い少子化対策が日本の経済力を取り戻す契機になるのではないかと考えます。防衛力も必要不可欠ですが、世界における軍事費の増大は人類が英知を絞って阻まなければ無限大に続くことでしょう。近く広島で開催されるG7ではそんな議論をしてほしいものです。