追悼

ゴルバチョフ元大統領は第2次大戦後に長く続いた米ソ東西冷戦を終結させた当事者です。米ソの緊張緩和を実現したレーガンゴルバチョフの功績は世界的にも偉大なものですが、当事者であったソ連崩壊前の初代ソ連大統領に就任したゴルバチョフが先ごろ遂に亡くなったようです。 後任のロシア・エリツィン大統領までは徐々に民主化も進み、日ロや米ロの関係も良好でした。

日米や西欧諸国から見るとゴルバチョフエリツィンの方が平和愛好者であり人間的だと考えますが、旧体制の人々から見ると裏切り者だとか国家を弱体させた張本人と評価されるのです。その代表的な人が元KGB出身である現在のプーチン大統領のようです。今のロシア政府や国民の一部の様子はまるで戦前の日本の状況のように感じます。

ロシアのウクライナ侵攻や中国の軍事的海洋進出によって、各国の防衛力強化が必然の状況となっています。再び新しい東西冷戦構造が世界中で始まる懸念があります。安倍晋三元総理の突然の死去により日本政府の世界的な発言力が低下したことは否めませんが、岸田新政権による日本独自の戦略と外交努力によって平和的な道筋を構築してほしいものです。

オンラインの活用

1年ぶりにIT Japanのセミナーを聴講しました。と言っても、コロナ前のようにビッグサイトや幕張のイベント会場へ出かけずに自分のデスクでのオンライン受講です。会場への往復と一日がかりで広い会場を方々歩き回って、山ほどの展示資料を手提げ袋に集めて、疲れ果てて帰宅するという、今考えると効率の悪い行動を多くの人たちが当たり前のように繰り返してきました。

コロナが収束しても、参加者の希望によってリアルとオンライン併用でのイベント参加は変わらないと考えます。かつて都内で催されるイベント参加者は新幹線や航空機を使って会場まで辿り着いて、帰りに展示資料などを宅急便などで多数の人が送っていました。オンラインだと資料もダウンロードで手に入りますし、参加する人が肉体的に疲れることもありません。

もしコロナ禍が到来しなければテレワークも現在のように進まなかっただろうし、イベントに参加するため会場に出掛けるという人々の行動パターンは続いていたでしょう。コロナ禍は多くの人々にとって大変な災難でもありましたが、一方では人々の働き方を大きく変えてくれたきっかけづくりにもなりました。DXは日本の課題ですが、オンラインの活用が時代を変えてくれるはずです。  

しがない話

しがない話ですが、2年前に漸く北側(正確には北東)の部屋にエアコンを付けました。実は20年前にも階下に水漏れがすることが気になり仕方なくウィンドファンを付けたのです。しかし、工事の不具合なのか機械の重量もあり、隙間から風が入るし、騒音はするし、数年後には窓の開閉も不十分なので処分しました。

その後、ご近所さんでも同じ個所にエアコンを設置するようになりましたが、どちらも水漏れ対策をしっかりした工事を行ったようです。漸く我が家も再度のチャレンジということで、2年前に据え置き型のエアコンを設置することにしました。しかし、以前のように機械を窓にぶら下げることなく、配管だけを窓から外に出すように工事が為されました。

最初から諦めなければ時間が経過すれば良い方法もあるのだと思った次第です。換気口から無理やり配管を通す家庭もありますが、エアコンの位置からすると角度が高くなります。ご近所さんは排水を床下に通して南のベランダまで長いホースを使って流したりしています。確かに便利ですが、我が家は北側に排水を貯めてその都度捨てるようにしています。

笑い話ですが、ここ最近は毎日湿度が高くて、エアコン作動中は3時間おきに溜まった水を処分する手間が欠かせません。エアコンが空気中から吸い上げる水分の多さに毎日のように吃驚しています。湿度が75%以上になると室内の空気中の水分が如何に多いかを実感できます。熱中症は室内の温度と湿度が異常で起きやすいので夏場は十分注意は必要です。 

スポーツの話

夏の甲子園球場での全国高校野球選手権大会仙台育英が下関国際を8-1で破り、東北勢として初の全国制覇を遂げました。月曜日は出社のためLIVEで応援できませんでしたが、熱戦の録画を帰宅して拝見させていただきました。結果は分かっていても決勝戦まで勝ち上がってきた両校の選手たちの活躍ぶりをこの目で見たかったのです。

家内が勝者である仙台育英の39歳の須江監督の挨拶が良かったので聴いたらと申しましたので聴きましたが、たまたま自分たちが優勝だけで、競合校の存在があったからこそ自分たちも強くなれた、コロナ禍で練習にも苦労した全国の高校生たちを褒めて上げてくださいと話をされた監督の謙虚さが家内の心に響いたようです。

ウクライナの惨状が報道されたり、国内でもコロナ感染者数の拡大傾向が報道されたり、度々の異常気象の報道など連日暗いニュースばかりが続く中で、炎天下で試合を続けてきた高校球児たちの活躍によって全国民が如何ほどに元気づけられたでしょうか。国家間でも若いアスリートたちがスポーツで闘うことは国際平和にも繋がります。スポーツは本当に良いですね。

鎌倉殿の13人

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が面白くなっています。源頼朝鎌倉幕府を開くまでの過程も興味がありましたが、頼朝死後に頼家が2代将軍に就いてから更に面白くなってきました。頼朝の死後も北条政子より時政や義時の動きに注目しています。

北条時政と対立していた比企能員の暗殺が頼家の失脚に繋がったわけですが、3代将軍実朝が誕生するまでの演出が見事でした。頼朝死後の御家人同士の確執や勢力争いを拝見するに、この時代の合議制による政治が限界だったことが理解できます。

鎌倉時代には朝廷と幕府が常に対立していたため勢力争いが絶えなかったようです。家康以降の江戸幕府時代には朝廷の影響力は殆ど無いに等しい中で平和な時代が続きました。やはり安定した国を治めるには長期にわたり周到な計画を綿密に練ることが必要です。

このような例は政治の世界や会社経営にも通じるように感じます。『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』と言われますが、NHK大河ドラマから学ぶことは多々あります。どのくらいの視聴率なのか分かりませんが、ビジネスマンには企業社会で生きる上でのヒントになると考えます。 

余談

 会社員時代に札幌に9年間勤務していたことがあります。冬は降雪で仕事ができないために、週末は冬山の手稲山にスキーへ行くことが普通でした。しかし夏山に登ったことは一度もありませんでした。理由は土日、祝祭日も休みのない会社だったので冬山に登るという発想がありませんでした。

実は数日前に手稲山を散策するテレビ番組を観たのです。手稲山の麓である手稲に一時期住んでいたのですが、夏山の手稲山を実際に観たのは初めてでした。冬山はスキー場で賑わいますが、夏山に登る人は登山が趣味の人以外は少ないような印象でした。

当時、私の周囲で知る限りでは札幌の人たちは短い夏を多くの人は海水浴で楽しみ、長い冬は近くの山でスキーを楽しむという生活を送っていたようにです。もし若い頃に現在のように休みがあれば北海道の夏山にも登ってみたかった、とテレビ番組を観ながら懐かしく思った次第です。

北海道というと熊は出没しないかという危険性も夏山登山には有ります。手稲山は比較的安全ではないかと思いますが、出没しない保証はないので念のため熊よけの装備は必要だと思います。兎に角、北海道の自然は魅力的です。

 

苦あれば楽あり

長年、当社の役員として労苦を共にしてきた方がいます。この方の存在があったからこそ会社の現在があると言っても過言ではありません。会社が窮地の時、某役員の不動産を担保に何とか運転資金を金融機関から借り入れることができました。その方は当時独身でしたので、ご結婚後はご迷惑を掛けぬよう速やかに担保を外し、金融機関にも担保の貸付金を返済しました。

その時に、会社経営における資金繰りの大切さを身にしみて感じました。預金通帳の残高を確認しながら日々の資金繰りに追われていた時代が今では懐かしいです。見たくない通帳を見ずに安心して経理が任せられる会社になった時はこの上ない幸せでした。共に歩んできた某役員も同じ思いだったはずです。今でも私は本当に素晴らしい人に恵まれたと感謝しています。

人間には様々な欲望があります。金銭欲も一つですが、私とともに歩んできた某役員は稀に見るほど金銭欲が感じられない人です。私も人間的に見習いたいですがとても無理です。しかし、その方の存在があったからこそ、私自身も利己的な経営者にならず健全な経営体質の会社へ繋がってきたのではないかと考えています。「苦あれば楽あり」と感じるこの頃です。