IT企業の給与

かれこれ20年近くにわたり毎月参加している経営戦略情報交換会という集まりがあります。コロナ前は毎月のように六本木へ出かけていましたが、コロナ後は毎月オンラインで開催されています。この8月の情報交換会のテーマは「究極の仕事品質は給与アップ!」というものです。

先日の新聞報道に依りますと、公正取引委員会の調査でIT企業の多重下請け構造が一番問題となっていることが判明したようです。仕事が3重請け4重請け、あるいはそれ以上に流れることもあります。末端のエンジニアが得る給与が中々上がらないのも事実です。

どうしたら解決できるだろうかと各社で対策を議論する予定です。日本のIT業界の現状は旧態依然として上流工程から下流工程まで数多くの会社が介在します。よって優秀な技術者を雇うにも高い給与を出せないのが実情です。

価格も元請け会社の単価テーブルによって発注されるために、仕事の難易度によって見積もりを行うことも阻まれている状況です。業界全体も受託開発が中心だからという理由もあります。しかし、技術者の給与を上げなければ業界が良くなることは決してあり得ません。

日本のIT企業が海外勢に負けないために、国を挙げて真剣に取り組まなければソフトウェアの輸入超過の現状はずっと変わらないと考えます。給与が先か仕事品質が先かの議論となりますが、給与を上げていかなければ優れた人材は集まらないことは間違いないようです。