一人旅

昨日は以前から計画していたお城巡りで浜松城を訪れました。これで静岡県内にある徳川家康にゆかりのある主なお城は大体廻ったわけですが、3月に訪れた久能山東照宮も今回の浜松城も、現在NHK大河ドラマ「どうする家康」が放送されていることもあり、予想通り多くの見物客が訪れていました。

浜松駅への途中、大船駅から空いていた向かいの席に高齢の女性が乗車してきました。ちょっとした挨拶をしたところ、その女性は急に私の隣の席に移ってきたのです。実は片方の耳が幼少時の中耳炎で全く聴こえなくなったそうで、人と話す時には隣に近寄って話すというのです。それからが彼女の下車する湯河原まで長~い会話となりました。

要約しますと、生まれは昭和19年で今年79歳になるとの事です。今回は湯河原へ日帰りの温泉へ行くところだったようです。私のインタビューが功を奏したのか、彼女は自分の過去の話をスラスラと話してくれました。現在は逗子に在住ですが、東京で生まれて育ったようです。ご主人は54歳で他界し、自身は50歳だったので30年間一人で過ごされてきたようです。

ご主人が亡くなられた当時、まだ若かったので悲しくて半年くらいは不眠症が続いたとのことです。残念ながらお子様にも恵まれずに独身で今日まで生きてきたようです。ご主人を亡くされて、その後はどのような人生を歩んでこられたのか聴けませんでしたが、色んなご苦労もあったのだろうと察します。

私はいつもの通り途中から新幹線に乗り換えて浜松駅まで行く予定でしたが、「勿体ないから乗り継いで浜松まで行った方がいい!」「ウナギ重代くらい浮くから!」との彼女の一方的な説得に、私もどんなものだろうと試しに各駅停車で乗り継いで浜松駅まで行きました。やはり新幹線が早いと感じましたが、各駅停車で辺りの景色をゆっくり眺めながらの移動も有りかと。