アジア出稼ぎ日本人

日経ビジネス特集「アジア出稼ぎ日本人」のタイトルを一言述べます。我が家の昭和時代における話をしますと、明治生まれの祖父母は息子(私の父)の学費を稼ぐ為に一時期農家を離れて福岡の炭鉱へ出稼ぎに行きました。祖母の姉は兄弟姉妹が多かったのでブラジルへ移民しましたが、その後はブラジルへ永住したようです。つまり私が小学生時代にはブラジル移民や地方への出稼ぎは珍しくなかったのです。昭和時代に地方から都会へ集団就職が盛んだったのも出稼ぎといえば似たようなものです。

私も大学時代に就職先として東南アジアを主戦場とする木材商社に応募したことがあります。結果的に不合格でしたが、もし合格していれば東南アジアのどこかの国に永住していたかもしれません。家庭内には父母が存在しなかったので、可能であれば仕事先でどこへでも行ってみたかったのです。「故郷に錦を飾る」とか言いながら、出稼ぎ自体に何とも抵抗感感がなかったのです。しかし、令和の時代になって経済が伸びない日本から成長著しいアジア諸国へ出ていく日本人が増えているようです。

つまり、日本に残留するならばもっと日本人は経済力の向上に努めなければならないし、あるいは外貨を稼ぎにアジアへ出なければならない、という時代が到来することが暗示されているような気がしました。これからは海外への出稼ぎと、地方から都会への集団就職も何ら変わりはないという感覚というか気概が必要な時代なのかと考えるわけです。どこで働きどこに住むのか自由だということが、これから社会に出てくる日本人に問われてくるのでしょうか。そしてアジアで羽ばたく日本人が増えてくる時代が到来するのでしょうか。