「まとも」とは

国の公文書管理について福田元首相のインタビュー記事が新聞に掲載されていました。私自身はマスコミの報道や新聞などで知り得た知識のみしかありませんが、まともな方と存じていた首相経験者のインタビュー記事を読んで大体類推していたことと同じであったことに安心しました。日本の歴史は政権に都合の悪い内容の議事録は改竄されたり、焼却されたりして、正確な証拠が残っていないのが現実です。我が国として恥ずかしい話ですが、国が公文書として保管する法律も福田政権まで無かったということです。

企業においても株主総会議事録は残すことが義務付けられていますが、殆どの中小企業では形だけの議事録があるというのが一般的です。よって会社の歴史が具体的に判明しないことが多いのです。取締役会議事録など弊社の場合は私が代表就任中の40年近くは記録してきました。しかし、これも強制ではないので中小企業では殆ど議事録など存在しないのが普通です。実は弊社の資本譲渡が比較的スムーズに進んだのも財務諸表のほかに議事録などが過去から整備されていたからです。

現在、弊社では上場企業の基準に則り内部統制の規約を整備中ですが、上場企業でも最近まで内部統制が未整備な企業が多かったと考えます。つまり、欧米に比べてすべて法整備において遅れてきたのが日本なのです。有名な話では、先の大戦で敗戦した我が国の公文書は証拠隠滅の為、時の政府によって焼却されました。企業の歴史も同じように事実を記録として文書に残すことの重要性をこの数年で特に学ばせて頂いたように感じます。まともな企業になることは容易なことではありません。