年頭所感

政治でも企業でもガバナンス(統治)が大変重要だと言われています。企業規模が零細であれば組織化しなくても細かい運営も可能ですが、企業規模が大きくなれば運営が段々難しくなります。すべての人が機能的に専門能力を発揮するためには、企業組織を通じて人がしっかりと統治していかなければなりません。

企業で業務上のミスや不祥事が起きるのもチェック体制に穴があるからです。未熟な企業ではルーチンワークに落とし穴あっても担当者に任せて気づかないこともあります。昔からマネジメントの鉄則として上司は部下に対して「任せて任せず」という言葉が使われます。

しかし、中小企業が急成長をすると管理がおろそかとなり、部下に「任せっぱなし」になる傾向が多いのです。部下の作業を常に監督する上司は、作業を部下に任せてもチェックや指示をして業務を管理する必要があります。

企業において大体のミスや不祥事は、部下の業務を管理する上司が他の業務に追われて管理していない場合に起こります。ミスや不祥事が起きないようにするには業務を統率する人的リソースが必ず必要となります。

その意味で、企業の組織づくりとガバナンスは経営において最も重要です。また企業には監査役という重要なチェック部門があります。しかし、一般の中小企業には形式的に監査役が存在しますが、企業内の業務を定期的にチェックする体制が殆ど機能していないのが現実です。

弊社においてもしかりです。企業が順調に成長過程を歩めない原因もそこにあります。コーポレートガバナンス(企業統治)と共に企業における業務や会計を監査する役割は大変重要です。自社の課題を毎年洗い出して、新しい年のスタートが切れるように本年も努めて参りたいと思います。