子は鎹(かすがい)

昨日は祖父母の話をしましたが、両親がいなければこの世に誕生しないわけなので、ここで少し触れたいと思います。私の記憶では5歳頃に父母は協議離婚したようです。私が生まれて間もなく夫婦仲が悪く、お互いに殆どすれ違いの生活をしていたようです。4,5歳頃は福岡の炭鉱街で母子家庭でしたが、その後、父の実家(熊本県天草市)の祖父母に突然預けられることになりました。一晩で目が覚めたら母が去っていったのですから子どもとしては大変な驚きです。

その後、母も父も再婚しましたが、両親は子育てを放棄しましたので祖父母が親代わりとなったわけです。今では珍しくないのですが、当時は滅多にない家庭でした。子どもの頃は寂しさも感じましたが、成長につれて段々と両親と離れた生活に慣れてきました。寧ろ両親には内心自分勝手さに子どもながら反発していたように思います。子どもに対してどこまで自分たちの非を自覚したのかわかりませんが殆ど感じなかったと思います。

しかし、高校を卒業するまで無事、素直に育ったのもすべては祖父母のお陰だと感謝しています。母も時々訪ねてくることがありましたし、父も時々帰省することがありましたが、一緒に同じ屋根の下で親子として生活する気にはなれませんでした。夫婦が離婚して犠牲になるのは子どもたちです。子どものために夫婦仲をお互いに維持していくことが大切だと今日まで両親を反面教師にして生きてきました。子は本当に鎹です。