仕事を生き甲斐に

福沢諭吉の心訓七則に「世の中で一番寂しいことは仕事のないことです」という教えがあります。実は子どもの子どもの頃に富山の薬売りの行商から戴いた貼り紙に上記の教えが書かれていたのを高齢の今でも記憶しています。この教えをなぜ取り上げたのかと申しますと、ご近所のリタイアされた方々から度々「仕事をされてていいですね」「我々の歳では仕事をやりたくても仕事そのものが無いのですよ」と羨ましがられます。

若い時はどこの仕事場も人手不足で雇ってもらえますが、歳を取ったら自由に仕事は選べないし、中々雇ってもらえないのです。政府は70歳まで働くことを推奨していますが、雇う側としては仕事の能力を備えていなければ慈善事業ではないので雇うことをためらいます。ですから、これからは寿命も延びますので年を取っても仕事で生かせる能力を身に付けることが大切です。是非、仕事を生き甲斐にしてほしいのです。

高齢の方で現役で仕事を続けている方は、雇っている企業から必要とされ続けているからです。働かされていることは寧ろご自分の誇りだと考えた方がいいです。健康を維持するためには楽をしないで適度に仕事を続けることだと考えます。現役時代に頭脳労働で多忙を極めた方が引退後に認知症にかかる人も見かけますが、仕事がない寂しい気持ちが精神的にも空洞化を齎し脳に影響するのだと考えます。