家事の話

世の中の働き方改革の動きで私自身も時々在宅勤務をしていますが、私自身は相変わらず、孟子の言葉「君子遠庖厨(ほうちゅう)」(君子は厨房に近づかない)のように料理を作るのが嫌なわけではなく作り慣れないだけです。ところが最近になって妻から料理を自分で作ることを覚えた方がいいと度々言われるようになりました。妻は料理が素早いし好きなので、私が台所に立つ機会も出番もほとんどなかったのです。

ところが先日、昼間のテレビで若い全盲のご夫婦のご亭主が料理を作っている様子を放送していました。全盲にも拘らず、炊飯の用意から味噌汁や料理を自分の指の感覚で量や熱を確かめながら食事の支度をする様子を見てとても感動したと同時に、能動的に食事の支度一つしない自分自身が情けなくなったのです。私は刺激を受けたらすぐに動くタイプですので、早速妻に教わりながら夕食の料理作りにチャレンジしました。

若い学生時代は外食は滅多にしないでスーパーで買い物していつも自炊していましたが、たまたま結婚した妻が料理が上手くて素早いので、我が家では料理は「妻の仕事」として何十年も当たり前に過ごしてきたのです。しかし現代は共稼ぎが普通ですから、食事の支度も子育ても夫婦で協力するのが当たり前の世の中です。私も家庭ではお風呂の用意、食事後の片づけから布団敷まで随分家事を手伝っているつもりです。そこで次は料理というわけです。