ソフトウェア会社の経営者でありながら、20年以上前から半導体業界で様々な方々とお付き合いをしてきました。かつてDRAMで世界的に活況を呈していた日本の半導体メーカーは新興国との価格競争でその後沈んでしまいました。
何故、インテルやモトローラのように付加価値のある半導体のMPU(心臓部)分野へ先端産業として切り込まなかったのか、一介の素人には理解できませんが、どうやら我が国は2.30年先の市場の動向を捉えることが苦手のようです。
つまり業界内で横並びの競争ばかりをしてきた為に、家電でも共倒れするような価格競争が多かったように感じます。大量生産の市場では必ず価格破壊が生じます。価格で勝負する後発組が断然有利だからです。
今、問題になっている半導体不足は、米中貿易戦争によるサプライチェーンが破壊されたことにより需給のアンバランスで生じたようなものですが、これから半導体分野でも保護主義が広がっていくのかも知れません。
半導体は産業の米と言われましたが、米は作り過ぎて余ると価格が下がります。養分として捉えればもっと付加価値が生まれたのですが、残念ながら日本は現状に甘んじて更に技術を活かそうという考えには及ばなかったようです。