畏友(いゆう)

中学時代から竹馬の友として長い付き合いをしてきた友人と、今年3月に同じふるさとである天草を旅してきました。実は私が祖母の33回忌の法要のため、友人は埼玉県に住んでいた2番目のお兄さんが今年の初旬に亡くなり、分骨してふるさとのお墓に埋葬してあげるためという双方の目的が共通したのです。私は高校まで天草で過ごしましたが、友人は高校から熊本市内、大学は福岡県の国立大学の教育学部を卒業して教職の道を歩みました。

現在は退職して孫の世話の毎日ですが、離れていてもこれまでは時々2人で会って自由な時間を過ごしてきました。畏友という存在の友人は他にもいますが、唯一子どもの頃から信頼して付き合いが続いている友です。彼は私と同じように子どもの頃には母親はいなくて、兄弟と離れて親戚に預けられていた時代があります。生い立ちが共通していたのも偶然でした。天草に2泊、足掛け3日間ドライブで一緒に過ごしましたが全く違和感はありませんでした。

天草の上島を半日で1周して子どもの頃から有名な温泉地であった下田温泉に宿泊し、翌日は下島を1周してふるさとの倉岳町の旅館に宿泊しました。これまで天草の隅々まで足を延ばしたことが無かったので彼のお陰で長年の希望が叶いました。歳を取った高齢の友人同士でお互い元気に旅行できるのは稀なことだと思います。畏友としての彼の存在は私の人生において実に貴重な宝です。おそらく彼のお孫さんも将来は祖父の彼を慕ってくれることでしょう。