志向

「身の丈志向とチャレンジ志向」。これは我が家の夫婦の在り様ですが、 45年間も一緒に同じ屋根の下で暮らしているとお互いに変わりようのない特性が分かります。どちらの志向が人生に幸せをもたらすのかと考えるわけですが、どちらにも偏らず中庸が良いというのが私の出した結論です。日本の在り方を考えてみても同様のことが言えると思います。

連休中にある人物評論が書かれた文庫本を読了したのですが、中々読み終えないので妻から読むのが遅いと指摘されました。書籍によっては展開がスムーズで集中して読むとあっという間に読み終わるものもありますが、著者の評論の意図を考えつつ自分の考えに照らし合わせながら読んでいくとそれなりに時間がかかります。

最近、我が家では戦前のイギリス映画、アガサ・クリスティーの推理ドラマや米国のお茶の間ドラマ「奥様は魔女」を再び楽しんでいます。当時の日本とはまるで想像もつかないような人々の裕福な暮らしを垣間見て驚くのですが、現在は生活レベルも大差がなくなったようです。自由貿易による国民の文明の進化はあっという間です。

では、これからもっと積極的に文明の進化を求めるのか、或いは程々に身の丈に応じた現実を謙虚に受け入れるか、どちらを私たちは目指すべきでしょうか。私はこの書籍を読んで、真の日本らしさとは何かを、もう一度日本国民自身が他国に追随するばかりでなく考えるべきではないかと考えたのです。妻が言うように身の丈を考えることも大切な事だと・・・。