未来志向

週末、久しぶりに松本清張のドラマ「影の車」を観ました。1970年に初公開された野村芳太郎監督の映画の時代には脚本は橋本忍となっていますが、2001年にテレビドラマ化された作品の脚本は橋本綾(橋本忍の娘)となっています。ドラマはこれまで数回見ましたがとてもよくできた松本清張作品なのですが橋本忍親子の脚本が素晴らしいようです。

砂の器」も脚本家・橋本忍による演出によって見事な映画に仕上がっているようです。確かに松本清張の小説より映画化やドラマ化された作品の方が素人から見ると魅力的です。人間はどうしても過去を引きずって生きているので、その影響がその後人生でマイナスになったりプラスになったりします。大体、松本清張作品は過去の記憶がマイナスとなり犯罪を引き起こしたりするようです。

人はどうしても過去の話を持ち出そうとします。つまり他人を過去に引き込もうとするのです。常に未来志向であれば過去の出来事など現代は関係が無いので、人前に今更持ち出す必要はないのですが、多くの人は皆昔を辿りたくなります。私もどちらかというと昔の話は自分だけの世界に仕舞っておいて、同窓会でも人前にあまり持ち出したくないタイプです。

過去を引きずっていても進歩はありません。歳を取ると昔の話ばかりしようとしますが、常に今はどうかということが人にとっては重要ではないでしょうか。松本清張の小説にも過去を引きずって人生を失敗する例が多々出てきます。今を大事にすることが人の生き方として正しいし望ましいのです。人生は結果が全てです。