配慮を欠く

ビジネスや私的の場において「配慮を欠く」ような印象を抱くことがあります。周囲や他人に気を遣わないで行動することを指しますが、その習慣が直らないので周囲の心証を害することがあります。企業は組織で成り立っているので、会議に先立つ前に議案に対して事前の打ち合わせや根回しが必要となります。ビジネスの場では「報・連・相」が常識だと言われますが、指導的な立場の人に常識が備わっていなければ部下が教育を受ける機会はありません。

相手の感情や立場を無視したような行動をとる人が企業や地域社会に見られますが、近年は成人してからビジネスやローカルの場で上司や他人が正すのも容易ではありません。個人のプライベートに干渉しなくなった日本の人材教育の弱点ではないかと考えます。かつては日本人の組織力が海外勢を抜きんでいましたが、近年は日本人に過去の勢いは見られなくなってきました。戦後の貧しい時代に育まれたハングリー精神が徐々に無くなってきたからだと考えます。

私自身も中小企業の経営を長年続けてきましたが、一朝一夕に企業は成長するものではないことを痛切に感じてきました。先ずは経営者自身が自らの学びや外部からの刺激で変わらなければ、企業も所属する社員も変わらないということです。大事なことは外部から招く人材の選定を誤らないことです。私自身、何度も過ちを繰り返しましたが、中小企業で人選の失敗は経営に多大な影響を及ぼします。「泣いて馬謖を斬る」覚悟がトップには必要です。