激化する人材確保

1970年代の高度成長時代には高卒者は「金の卵」で、大企業が地方の高校まで求人に力を入れていました。私の高校でも同期の大多数が大企業へ就職していきました。先日の同窓会も大企業を定年退職した仲間がほとんどで、みな老後を楽しんでいるようでした。実は日本も少子高齢化が進み、企業も人手不足で新卒者の奪い合いが今後益々激しくなり、人材の確保が一段と厳しくなりそうな気配がします。

情報によりますと、高卒者の給与も大卒並みに引き上げて人材確保を有利に進めようとしている企業もあるようです。確かに今後人材を確保するためには、優秀な高卒者を採用して企業で育てることも必要となります。今や大学も定員割れするところも出てきて、大学の経営も厳しくなる傾向にあり、より多くの学生を集めて大学も生き残りを図るために無試験で入学できる制度を拡充しようとしています。

つまり高卒者が大学に行く目的が薄れてきているような気がします。就職のために大学へ進学しなくても、専門能力を身に付ける様々な進路の選択肢が存在する時代だからです。デジタル能力に精通した若者が高卒者でも大勢誕生してきますので、人材として大学卒でなければならない理由もないわけです。ひょっとすると高度成長時代のように高卒者の人材確保が激しくなる時代へ逆戻りするかもしれません。今後、人材確保はさらに激化します。