奨学金

かつては地方出身の若者が上京して働きながら進学するという苦学生が一般的でしたが、現在ではかつてのような苦学生も見られず、家庭的に裕福な若者が進学のために上京する場合がほとんどのようです。私が加入しているふるさと会の傘下でも苦学生に対する育英会として奨学金制度が古くから存在しますが、最近の若者は奨学金の使途を在学中の旅行費用などに充当しているので、支給を検討しなければならないことを関係者から耳にしました。

時代の変化で学生自身の考え方も変わるものですが、かつてのように学問を学ぶために遥々上京して働きながら進学するような時代ではなくなっています。寄付によって集められた大切な基金としての奨学金なので、申請すれば無条件で支給するというのではなく、支給条件に該当するかどうかを審査した上で支給を決定しなければなりません。

かつてと現在が異なるのは、裕福な家庭の子は上京して進学するが、貧しい家庭の子は働いてまで進学を目指そうと考えなくなったということです。残念ですが、家庭における経済的な格差が現在においては広がり過ぎたことが原因のようです。日本もドイツのように大学を卒業するまで国が費用を負担するような国になれば良いのですが、日本の国家財政にそのような余裕はないので民間レベルで奨学金として考えなければなりません。