日銀新総裁に期待

日銀の総裁が漸く10年振りに交代しました。金融緩和がアベノミクス成長戦略の象徴的な政策のように論じられてきましたが、肝心の日本経済は横ばいで欧米のように成長するには至りませんでした。つまり金融緩和だけでは経済成長しない事の認識が浅く、政府の掲げる成長戦略に至る政策の的が明確ではなかったのだと考えます。2%の物価目標も10年間主張し続けてきましたがデフレの解消も困難でした。黒田前総裁には金融緩和を続ける理由をもっと国民に分かり易く説明してほしかったです。

植田新総裁の会見を聴いて感じたのは、経済学者として国民に分かり易く政策の説明しようという意志が伝わったことです。また長期的な金融緩和による様々な副作用を解消しなければならないとも話されていました。つまり日銀が大量に国債を買い集めて身動きが取れなくなっている現状を変えようとの事だと考えます。そうしなければ金融緩和の出口がさらに遠くなり、強い経済も生まれないし、金利も上げられないからでしょう。

日本がゼロ金利から脱皮できないことは経済が成長していないことなのです。経済政策が正しく描けなければ成長もしないし、金利も上げられないし、物価目標も賃金も上がらないのです。米国のように数%の金利で経済が回る国になってほしいものです。私たちが若かった時代には日本もそのような国でした。為替も対ドルで健全な円高を目指すべきでしょう。そうなれば貿易収支も改善するし、対外購買力も強くなります。