運命は切り開かれる

「ローマは一日にして成らず」という諺はビジネスにも匹敵する言葉なので大好きです。古代ローマ帝国は、長期にわたる努力の果てに建設されたという話ですが、会社の事業を成功させるのも同じように、不断の努力を積み重ねることで結果として成功したり失敗したりします。事業に失敗は付き物で、どのように失敗をリカバリーするかが重要です。ネバーギブアップという言葉も好きですが、要は成功するまで諦めないことが大切です。

これまでも「背水の陣」という瀬戸際まで事業において困難に追い込まれたことがありますが、時間は動いているので通り越せば明かりは差してくるものです。「待てば海路の日和あり」という言葉もありますが、どんなに自然災害があっても困難を通り過ぎてしまえば翌日には何もなかった如く辺りは静かになります。困難に立ち向かっても労力を費やすだけで効果的ではないので、じっと嵐が過ぎ去るのを待つしかないと思うのです。

今から27年前、弊社は多額の負債と債務超過で沈みかけた海底から水面に浮上するため心機一転を期して再スタートしました。当時のハングリー精神が無ければここまで頑張れなかったと考えます。事業の成否は学校の成績とは関係がなく、不断の努力次第で運命は開けてくるので魅力的な面もあります。特に中小企業の場合、将来の事業承継を考えて長期戦略で臨むことが重要です。三方良しの考えのもとに事業を進めて行けば、必ず運命は切り開かれると実感しました。

 

映画会

たまたま新聞のコラムで発見した鎌倉で109年続いているという団体主催の「春の映画会」へ行ってきました。どうしても参加したくて早くからチケットを入手しました。イベントの内容は山田洋次監督来賓の下、最新作品の上映会とトークショーでした。92歳で現役の映画監督である山田監督にリアルで会える、きっと最初で最後の機会だと思っていました。監督の数々の作品には若い頃から大変憧れていました。

今回イベントが開催された鎌倉芸術館はかつて松竹の大船撮影所でした。監督もご一緒された俳優さんも懐かしい頃の撮影秘話を語られていました。映画のタイトルは「こんにちは、母さん」という最新作でしたが、まだ観ていなかったのでちょうどいいタイミングでした。最近の若い方たちは山田監督についてご存じではないと思いますが、我々の青春時代は監督の松竹映画作品で毎年大いに笑いながら楽しんだものです。

映画の後にはトークショーが予定されていましたが、歴史ある団体が年に一度主催しているこの映画会では映画の上映と出演した俳優さんのトークショウ―を行っているとのことでした。今回も大勢の参加者に来賓の山田洋次監督も大変驚いていました。シニア世代ばかりが目立ちましたが、皆さんも同じように青春時代を山田監督作品の数々を観て共通の楽しさを経験してきた方たちです。尊敬する山田洋次監督を今回リアルで拝見できて大変光栄でした。

奇遇

世の中には不思議な出会いが何度もあります。私もこれまで起きた数々の奇遇は忘れることができません。今日は夕刊に掲載されていた奇遇とも言える新聞記事にたまたま出会いました。朝日新聞社会面の最後に、私の故郷・熊本県天草市倉岳町にそびえる標高682メートルの倉岳についての記事が掲載されていたのです。普段は帰宅後に夕刊はサッと見るだけですが、本日は在宅勤務でゆっくり目を通していたところ偶然この記事を発見したのです。

倉岳は天草諸島で一番標高の高い山です。倉岳町にそびえている山なので倉岳と言いますが天草では登山で大変有名な山です。また頂上にある倉岳神社から眺める島々や不知火海は絶景です。記事の内容は、登山道路が狭いために事故を起こさないように看板が設置されているのですが、表示している文字のデザインが「新世紀エヴァンゲリオン」というアニメの台詞をパロディー化して作られたようです。イラストの得意な市の職員によるデザインが採用されたとのことです。

最近、若い人の間で様々なアニメが流行っているようですが、妻は有名なアニメだと話していましたが、私は疎くて勉強不足でした。偶然に懐かしい故郷の記事を見てまた帰省したくなりました。ここ最近、若者を中心に倉岳登山の観光客が増えていますが、ミュージックビデオに登場したり、テレビ番組に出演する人気バンド「WANIMA」のメンバーが町の出身だからです。若者らしい発想でユニークな道路標識があるのも注目したいものです。

プラチナ企業

先日、働きやすい企業として評価されているホワイト企業が業績で負けているというメディアの記事を拝見しました。それに対して働き甲斐を標榜するブラック企業は業績的に検討しているということなのですが、コロナ禍で働き方改革が進み、仕事の生産性は本来上がらなければならないのですが、ホワイト企業は成長する勢いがなくなってきたのだと考えます。一方、ブラック企業働き方改革後もそれほと従来と変化がないものと思われますので、ブラック企業が勝ったと言われているのでしょう。

本来はコロナ禍をきっかけにして働き方に柔軟性を持たせたことで生産性がアップしなければならないのですが、多くの企業では生産性があまり変わっていないで、単に働きやすい企業で成長もしないのが現実ではないかと考えます。今、プラチナ企業を目指そうという動きがあります。働きやすく、働き甲斐のある企業のことを言うのですが、これからは成長し、業績を更にアップすることで働き甲斐のある企業を目指すべきです。勝ち組にならなければ負け組では給料も上がらないし働いている人の意欲も湧きません。

働きやすい企業というだけで、働き手が楽を求めるようになれば、厳しい企業社会では勝負に負けていくと考えます。大谷翔平選手でも高い目標を立てて、決してトレーニングの手を抜かない、大好きな野球で相手に勝つためにどうするかを自分の能力に過信せず、日夜努力し成長しているから実績が上がるのです。企業も厳しくならなければ甘いだけでは業界の中でライバルに勝てませんし、後方に必ず取り残されていくことでしょう。変化のある24年度をチャンスと捉えて、是非プラチナ企業を目指したいものです。

社員の成長

まだコンピュータがない時代、そろばんと 電卓に経理作業で振り回されていた若い頃を思い出します。入社2年目で何も会社のことが分からないのに10年先輩の後任を突然任されたのです。ベテランの経理担当者と新人を配下に事務部門全体を取り仕切るのですが、今考えても想像を絶するほどの仕事量でした。現在はコンピュータでシステム化されて事務仕事の生産性も飛躍的に効率化していると思います。

毎月、工場と工事の両方の売り上げと出来高を集計し、原価計算の費用項目を洗い出し、経費関係を上乗せて損益計算をしますが、5枚綴りの振替伝票が毎月500枚に及びました。締めの10日間くらいは朝の8時の始業から夜は深夜まで、日々クタクタになるくらいやらなければ終わらないほどの仕事量でした。会社はライバルとの競争を旗印に毎年業績が上がり、やりがいと同時に現場は大変活気がありました。

さすが3年目には私もベテラン社員と言えるくらいの実力になりました。最初は経験もないし責任者は無理だと思いましたが、伸びている会社は社員に無理強いさせます。結果的には実力が蓄積されてくるわけですが、技術職も我々事務職も土日も休むことなく同じような環境の下で働いていました。しかし今はそのような働き方は労基法違反なのでありませんが、前職には入社したての社員として成長させていただきました。

リアルの対話

働き方改革でテレワークが進んだのは良いことですが、中にはリアルの対話を避けてメールだけで人とやり取りをしようとする人がいます。業界によっても違いますが、テレワークが可能な業界ほどリアルで対話することを心掛けなければ、社会人として人間的に成長しないと考えます。金融業界や証券業界などリアルでの対話を重視していますので、社員教育上も大変望ましい事です。IT業界に属する弊社でも社内で対話する時はなるべくリアルでするように指導しています。

営業担当者も顧客訪問の時間を減らして生産性を上げようとしていますが、営業の仕事こそリアルで顧客と接する機会を持つことが大切です。当然、電話やメールを使って業務を効率的に進めることは重要ですが、それだけでは相手に意思がなかなか伝わらないし、社会人が人間的に成長しないと考えます。それでもZOOMは遠距離でも対話が可能なのでコミュニケーションとして大変便利なツールです。金融業界や証券業界ももっと活用したらいいと考えます。

なぜこのような内容のブログを書いたかと申しますと、お付き合いを始めた出版業界の担当者に意見をしたかったからです。営業効率を考えてZOOMを使い、メールで契約するまでフォローすることは良いのですが、編集する人までメールを多用すると相手に誤解を与えかねません。メールを使い慣れているので、対話することもメールで済ませようとするのです。それでは相手との意思疎通がうまくいかないのです。何が重要かを会社は指導すべきです。

 

 

選ばれるリーダー

「もしトラ」が次第に現実味を帯びてきているように予想されます。大統領選挙は直接選挙なので国民が安心して任せられるリーダーを選択する選挙です。米国内でも民主党共和党は常に大統領選挙で接戦を演じていますが、バイデンの支持率は全米的にはそれほど強くないのが現実です。次期大統領選挙ではトランプが勝つのではないかと言われています。結果は本年11月に蓋を開けてみないとわかりませんが、「もしトラ」だと内外情勢は大きく変化するでしょう。

米国の元高官が「もしトラ」になれば、日本の防衛費をGDP2%にするよう要求してくると話していました。確かに世界の軍事的な緊張関係を考えると欧米諸国のように防衛力の強化が必要なのかもしれません。ちなみに中国は日本の3倍、米国は19倍の防衛費と言われていますが、経済が伸び悩む日本においては厄介な問題です。相手国への侵略を止めないロシアでもプーチンに対抗できる実力者がいないことが国民の直接選挙で証明されたのです。

どこの国でも共通していることは国民は自国優先で物事を考えます。大統領は自国民による直接選挙で選ばれるので、例え海外から嫌われても自国内で実力のある権力者が勝利します。一方、日本やイギリスのような議会制民主主義国家では国会での投票でリーダーが選ばれますので、国民が安心して任せられるリーダーを選ぶことも国民の意思も反映されない訳です。どちらが良いのか難しいですが、首相公選制も興味深いのではないでしょうか。